パリジェンヌラッシュリフト(以下、パリジェンヌ)は、目の形状やまぶたの厚みによって仕上がりが左右されることがデメリットとしても知られています。
そのため、一重の方(奥二重の方も含む)はパリジェンヌをかけられるのか不安を感じているかと思います。
「私の目は一重(ひとえ)だから、綺麗に上がらないかも…」
「奥二重(おくぶたえ)の場合は、どうなるの?」
「パリジェンヌをかけると二重(ふたえ)になるって本当?」
筆者はアイリストとして多くのお客様にパリジェンヌをかけてきた側ですが、このようにお悩みのお客様は非常に多かったです。また、筆者の目も一重に近い奥二重なので、パリジェンヌの仕上がりに不安を抱かれる気持ちはよく分かります。
そこで本記事では、一重の方がパリジェンヌをかけた場合にどうなるのか解説したうえで、一重の方がパリジェンヌをかける場合のポイントや上がらなかった場合の対処法についてご紹介していきます。
一重でパリジェンヌをかけようか悩まれている方は、本記事を参考になさってください。
一重のパリジェンヌラッシュリフト
パリジェンヌは、お目元をパッチリと見せることができる次世代まつ毛パーマとして人気の施術です。自まつ毛が綺麗に上がっているモデルさんの写真を見て「私もパリジェンヌをかけてみたい!」とお考えの方も多いはず。
しかし、パッチリ二重のモデルさんと一重まぶたとでは仕上がりに差が出てしまうのではと疑問に感じる方は多いハズ。
そもそもパリジェンヌは、従来のまつ毛パーマ(以下、マツパ)のように自まつ毛全体をカールさせていくのではなく、自まつ毛の根本以外の部分はストレートのまま、根本のみをグッ!と立ち上げる施術方法。
そのため、立ち上げる自まつ毛の根本にまぶたが当たるかどうかによって、仕上がりが変わってしまう性質を持っています。そこでまずは、一重がパリジェンヌをかけた場合にどうなるのかを解説していきます。
まつ毛が上がらない場合がある
一重であってもパリジェンヌをかけることは可能です。しかし、モデルさんのようにはパッチリとまつ毛が上がらない可能性もあります。
というのも、まぶたが一重や奥二重の場合、目を開けた時に自まつ毛の根本にまぶたの皮膚が当たる方がほとんどです。
まぶたの皮膚が自まつ毛の根本に当たってしまうと、せっかくパリジェンヌで立ち上げた自まつ毛をまぶたの皮膚が上から押してしまい、根本の立ち上がりが弱くなることがあります。
パリジェンヌではマツパのように自まつ毛の中間や毛先にカールがつかないため、根本の立ち上がり具合が仕上がりに直結します。根本の立ち上がりが弱くなればばるほど自まつ毛はまぶたに埋もれてしまい、正面から見えづらくなります。
そのため、一重や奥二重の方がパリジェンヌを掛けた場合に「ほとんど上がって見えない」といった失敗が多く発生します。実際に一重や奥二重のお客様は、パリジェンヌが物足りなく感じることが多いです。
ただし、一重や奥二重の方の中でも自まつ毛がとくに長めの方の場合、自まつ毛が短い方に比べて毛先のほうが見えやすいため「思ったよりも上がった!」と感じるケースもあります。
一般的にパリジェンヌの仕上がり画像のモデルとなっているのは、多くの場合パッチリとした二重まぶたのモデルさんで、なおかつ自まつ毛が長く太いケースが多いです。まぶたが二重の場合、上まぶたの皮膚が内側に織り込まれるため、自まつ毛の根本にまぶたの皮膚が当たることが少なくなっています。そのため、自まつ毛の根本がスッキリと見え、パリジェンヌの立ち上がりも良くなります。また、自まつ毛が長く太いほど、美しく立ち上がった自まつ毛が強調されます。
一重から二重になる場合がある
パリジェンヌの効果の一つとして、まぶたのリフトアップ効果があります。パリジェンヌで自まつ毛を立ち上げることで、立ち上がった自まつ毛がたるんだまぶたの皮膚を支え、リフトアップしてくれます。そのため、目を開けた時に通常よりもパッチリとして見えるのです。
そしてこのリフトアップ効果は、一重や奥二重のほうが実感しやすい傾向にあります。
一重や奥二重のまぶたは、目を開けた時に二重まぶたのように皮膚がクッキリと内側に織り込まれることがありません。そのため、目元に皮膚のたるみによって目が小さく見えることがあります。しかし、パリジェンヌをかけることでまぶたのリフトアップ効果が現れるので、目元がスッキリと見えます。
また、まぶたの脂肪が薄めの方の場合、一時的に二重まぶたのように見えるお客様もいらっしゃいます。ただし、まぶたの脂肪が厚く重めの一重まぶたの方の場合、二重にはなりにくい場合が多いです。
もともとまぶたの皮膚のたるみが少ない二重まぶたの方も、リフトアップ効果をあまり感じにくいことがあります。
一重のパリジェンヌの注意点
一重や奥二重の人がパリジェンヌをかける場合、いくつか注意事項があります。
実際にアイラッシュサロンにパリジェンヌをかけに行く前に、気をつけたほうがいいことを一通り確認していきましょう。
パリジェンヌ当日はアイプチをしていかない
一重や奥二重の方の中には、アイプチを日常的に利用されている方も多くいらっしゃるかと思います。
しかし、パリジェンヌの施術を受ける当日はアイプチの使用は控えるほうがベターです。
パリジェンヌの施術では「ロッド」と呼ばれるシリコン製の小さなシートをまぶたに直接貼り付け、テンション(引っ張る力)をかけながらロッドの上に自まつ毛を引き上げていきます。
その際に、アイプチによってまぶたの皮膚が突っ張っている状態だとテンションのかかりが均等でなくなり、パリジェンヌの仕上がりがバラつく恐れがあります。
また、アイプチの使用中は目が完全に閉じられない場合も多く、パリジェンヌで使用するセッティング剤や水溶性グルーが施術中に目にしみてしまう可能性も出てきます。
そのため、施術当日はアイプチを控えるは、施術前に取り外せるファイバータイプのアイプチ(メザイク)などを使用するのがおすすめです。
パリジェンヌが上がらない可能性を承諾する
パリジェンヌをかけたお客様からのクレームや悪い口コミで最も多いのが、「上がらなかった!」「上がりすぎた!」といった仕上がりの強さに対する不満の声です。
これまで解説してきた通り、パリジェンヌの仕上がりは目の形状・まぶたの厚み・自まつ毛の長さによって大きく個人差が出ます。
とくに一重や奥二重の方の場合はパリジェンヌが思ったよりも上がらない可能性が高く、そのことを知らずに施術を受けて、想像以上の物足りなさにガッカリされる方も少なくありません。
とはいえ、上がり具合の感じ方は人それぞれです。二重まぶたの方に比べて上がりが弱くても「思ったよりも上がった!」「このくらい上がれば十分!」と感じられる一重や奥二重のお客様も多くいらっしゃいます。
つまり、上がるか上がらないかはお客様の主観にもよるので、パリジェンヌをかけてみないと分からない部分があるのです。
ですから、パリジェンヌが上がらない可能性はあらかじめご承知いただくことが大切です。もしも上がらなかった場合も気を落とさずに、次の手段を考えるようにしましょう。
もしパリジェンヌが不向きでも、目元を魅力的に見せる施術の選択肢はたくさんあります。
パリジェンヌの持ちが悪い可能性がある
パリジェンヌの持ちは平均的に1ヵ月~1ヵ月半ほどで、個人差があります。パリジェンヌの持ちに個人差が現れるのは、基本的に自まつ毛の毛周期のスピードによるものです。
ただし毛周期以外にも、もともとの立ち上がりが弱かった場合に持ちの期間が平均よりも短くなることがあります。
一重や奥二重でパリジェンヌの立ち上がりが弱かった場合、その原因のほとんどがまぶたの皮膚が根本に当たり上から押されることによるものです。まぶたの皮膚が根本に当たりづらい二重まぶたの方に比べ、自まつ毛が上から押される力が日常的に加わるため、下がっていくのも早くなる可能性が高くなります。
少しでもパリジェンヌの立ち上がりをキープするためには、コーティング剤を塗るのもおすすめです。スッと立ち上がった状態が固定され、透明なので見た目も自然です。
一重でパリジェンヌが上がらない場合の対策
パリジェンヌの上がり具合は、人によって異なります。とくに、一重や奥二重の方の場合は仕上がりに物足りなさを感じるケースが多いです。
「パリジェンヌを試してみたけど、やっぱり上がらなかった…」「上がらない可能性が高いなら、べつの施術をしたほうが良いかも!」という方もいらっしゃいますよね。
そこで、一重や奥二重の方が目元をパッチリとさせるための対策やおすすめのメニュー等をご紹介します。
自まつ毛を太く長く育てる
上がり具合がいまひとつでも、パリジェンヌを気に入った方もいらっしゃるかと思います。
その場合、より一層パリジェンヌの仕上がりを良くしていくためには、まつ毛美容液を使用して自まつ毛を育ててあげるのがおすすめです。
一重や奥二重の方でも、自まつ毛にハリやコシが出るにつれて、少しずつパリジェンヌの効果を実感しやすくなります。
自まつ毛にハリやコシを出すなら、まつ毛美容液でのケアが重要です。
普通のマツパをかける
パリジェンヌを試された方の中には、ナチュラルな仕上がりを求めてマツエクを卒業された方も多くいらっしゃるかと思います。
その場合、パリジェンヌ以外のパーマ系メニューに再挑戦するのがおすすめです。
普通のマツパは、自まつ毛全体にカールをかける施術です。そのため、一重や奥二重でまぶたの皮膚が根本に当たる方でも、クルンとした上向きまつ毛にすることが可能です。
ただし、マツパをかけ直す場合はパリジェンヌをかけてから1ヵ月以上の期間を空けるようにしましょう。あまり短いスパンでパーマ系メニューを繰り返すと、自まつ毛の傷みに繋がります。
マツパは、自まつ毛の根本を立ち上げるのではなく、自まつ毛全体にゆるやかなカールを付けていく施術です。パリジェンヌのように自まつ毛の根本を立ち上げないため、まぶたの厚みや皮膚のたるみによって自まつ毛の根本が上から押されても、仕上がりに差が出ないメリットがあります。一方、マツパをかけると自まつ毛全体がカールするため、パリジェンヌように自まつ毛を長く見せる効果は薄れます。マツパとパリジェンヌの違いについて詳しくまとめた記事もありますので、気になる方は参考になさってください。
パリジェンヌ以外のラッシュリフトをかける
次世代まつ毛パーマと称されるラッシュリフトは、パリジェンヌだけではありません。
パリジェンヌはロッドが原則1種類のみですが、パリジェンヌ以外のラッシュリフトにはロッドの種類を選べるものもあり、根本を立ち上げつつ中間や毛先にカールを付けることが可能なケースもあります。
ただし、取り扱っているロッドはお店によって異なりますので、予約サイトなどで確認するか問い合わせる必要があります。
パリジェンヌラッシュリフトとラッシュリフトの違いについてまとめた記事もありますので、参考になさってください。
パリジェンヌとマツエクを併用する
パリジェンヌのリフトアップ効果はそのままに、ボリューム感だけ追加したい方もいらっしゃるかと思います。
その場合におすすめなのが、パリジェンヌの上からマツエクを装着する「パリエク」です。
パリジェンヌとマツエクを併用することで、パリジェンヌの持つ効果はそのまま、マツエクによるボリューム感だけをプラスすることができます。
パリジェンヌとマツエクの併用(パリエク)について詳しくまとめた記事がありますので、気になる方はあわせてご覧ください。
まとめ
本記事では、一重や奥二重の方がパリジェンヌをかける場合にどうなるか解説しました。
パリジェンヌは、目の形状やまぶたの厚みだけでなく、自まつ毛の太さや長さによって仕上がりが左右します。そのため、一重や奥二重で、とくに自まつ毛が細く短い方は立ち上がりを実感しにくいデメリットがあります。
しかし、まぶたのリフトアップ効果については、一重や奥二重の方のほうが変化を感じやすい側面もあるため、パリジェンヌを気に入って続けられる方もいらっしゃいます。
パリジェンヌの上がり具合は人によって異なるため、どれくらい上がるかはかけみないと分からない部分もあります。
もしも上がらなかった場合は、一重や奥二重におすすめのメニューもご紹介しましたので、ぜひ試してみてくださいね。